ローンが残っている住宅を相続する場合の対応方法を網羅解説!

相続

ローンが残っている住宅を相続することになったとき、多くの方が最初に不安になるのは「このローンは誰が払うのか」「家はどう扱えばよいのか」という点ではないでしょうか。

本記事では、ローンが残っている住宅を相続する際に、最初に確認すべき事項と、判断を誤らないための具体的な進め方を、手順に沿って解説します。

静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターでは、ローンの残った住宅など各ご家庭のご状況を整理した上で、最適なサポートをご提案いたします。

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ローンが残る住宅を相続するときにやるべきこと

ローンが残っている住宅を相続することになった場合、まずは金融機関で「ローンと団信の事実関係」を確定させることが大切です。

相続では、不動産(プラスの財産)だけでなく、住宅ローンなどの債務(マイナスの財産)も相続対象になり得ます。

ところが、ローンの契約形態や団信の扱いによっては、相続人が返済を続ける必要がないケースもあります。

そのため、相続するか、相続放棄をするかを考えるためにも、まず次の3点の対応・確認をしましょう。

  • 金融機関へ死亡の事実を連絡する
  • ローンの契約関係を確認する
  • 団信の有無と適用可能性を確認する

それぞれくわしく見ていきましょう。

金融機関へ死亡の事実を連絡する

まず行うべきなのは、住宅ローンを契約している金融機関へ、被相続人が亡くなったことを連絡することです。

連絡をしないままにしていると、ローン返済が継続しているものとして取り扱われる可能性があります。

場合によっては、延滞として扱われることもあり得ます。

被相続人が亡くなったことを連絡すれば、以下のような案内を受けることが可能です。

  • 団体信用生命保険の手続き
  • 今後の返済の取扱い
  • 必要書類

また、相続人のうち誰が代表して連絡・手続きを行うのかを金融機関に伝えておくと、その後のやり取りがスムーズになります。

返済中の方(連帯債務者を含む)が亡くなられた場合は、契約金融機関で手続きが必要となります。

引用元:住宅金融支援機構「ご返済中の方・連帯保証人が亡くなられたとき

まずは金融機関に連絡し、その後の手続きの案内を受けることが出発点になります。

ローンの契約関係を確認する

次に確認すべきは、住宅ローンの「契約関係」です。

特に、相続で問題になりやすいのは、亡くなった方が単独の借主なのか、それとも 連帯債務者や連帯保証人 として関わっているのか、という点です。

具体的には次のような点を確認しましょう。

  • 亡くなった方が連帯債務者として契約していないか
  • 亡くなった方が連帯保証人として関わっていないか
  • 住宅ローンの契約内容はどのようになっているか

それぞれくわしく解説します。

亡くなった方が連帯債務者として契約していないか

夫婦でペアローンを組んでいる場合などは、双方が連帯債務者となっていることがあります。

連帯債務者は、主債務者と同じ立場で返済義務を負います。

そのため、どちらか一方が亡くなっても、住宅ローンの債務が消えるわけではありません。

さらに注意が必要なのは、団体信用生命保険(以後『団信』と表記)の取扱いです。

一般的に、団信は主債務者のみが加入していることが多く、連帯債務者は保険の対象外となる場合があります。

そのため、次の事実関係を契約書や保険約款で確認しましょう。

  • 誰が団信に加入しているのか
  • 保障の範囲はどこまでか

団信が適用されない場合には、亡くなった方の債務は相続の対象となり、相続人が法定相続分に応じて引き継ぐことになります。

ご本人が亡くなられたときは、ご家族の方が現在融資のお申込みをされました取扱金融機関に連絡され、団体信用生命保険(共済)の加入の有無を確認してください。

引用元:住宅金融支援機構「ご本人がなくなられたとき

亡くなった方が連帯保証人として関わっていないか

住宅ローンそのものだけでなく、亡くなった方が「連帯保証人」になっていなかったかも確認する必要があります。

連帯保証人とは、主債務者(実際にローンを借りている人)が返済できなくなった場合に、代わりに返済義務を負う立場の人です。

そして、この保証債務も相続の対象になります。

もし主債務者の返済が滞った場合、金融機関から相続人に対して一括請求をされてしまう可能性もあります。

連帯保証人には「まずは主債務者に請求してください」と主張する権利(催告の抗弁権)がないので、直接請求を受けることがあります。

もっとも、連帯保証人になっているかどうかを、相続人が把握していないケースも少なくありません。

契約書だけでは確認しづらいこともあるため、金融機関に契約関係を照会し、早い段階で次の点を整理しておきましょう。

  • 亡くなった方が連帯保証人になっていないか
  • 保証の対象となる金額(保証限度額など)はいくらか

連帯保証の有無や保証額によっては、相続放棄を検討すべきかどうかの判断にもつながるので、慎重に確認することが重要です。

住宅ローンの契約内容はどのようになっているか

住宅ローンといっても、契約形態によって相続後の取扱いは異なります。

返済義務が誰に、どの範囲で引き継がれるのかは、契約書の内容によって決まります。

特に次のような契約形態の場合は、一般的な住宅ローンとは取扱いが異なるため、注意が必要です。

  • ペアローン
  • リレーローン

ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ペアローン

ペアローンとは、夫婦や親子など二人がそれぞれ別個に契約を結ぶローンのことです。

1つの不動産に対して、2つのローンが別個に存在している状態と考えると分かりやすいでしょう。

契約者ごとに借入額が分かれており、団信もそれぞれ個別に加入しているケースが多いため、夫婦ペアローンで、夫が亡くなった場合は以下のような取扱いになるケースが多いです。

  • 夫名義のローン残高 → 団信により完済
  • 妻名義のローン残高 → そのまま残る

つまり、「一人が亡くなれば全部のローンがなくなる」というわけではありません。

亡くなった方の契約分のみが団信の対象になります。

また、親子ペアローンでも基本的な考え方は同じです。

それぞれが債務者であり、それぞれの契約内容に基づいて処理されます。

まずは、契約書で次のような事実関係を確認しましょう。

  • どちらがいくら借りているのか
  • それぞれ団信に加入しているのか
リレーローン

リレーローン(親子リレーローンなど)は、親から子へ返済を引き継ぐことを前提としたローンです。

一定期間は親が返済し、その後は子が返済を引き継ぐという仕組みになっていることが多く、確認すべきポイントは次のとおりです。

  • 誰が主たる債務者となっているか
  • 団体信用生命保険は誰が加入しているか
  • どの段階で返済義務が移る契約になっているか

最終的に返済を担う子が団信に加入しているケースが多く、親が返済途中で亡くなった場合には、子が残債を引き継ぐ内容になっていることがあります。

「親が亡くなったからローンもなくなる」とは限らない点に注意が必要です。

契約書に基づいて、どの債務が消滅し、どの債務が残るのかを丁寧に確認する必要があります。

団信の有無と適用可能性を確認する

住宅ローン契約時に団信へ加入していれば、死亡により保険金が支払われ、住宅ローンが完済となる可能性があります。

この場合、相続人がローン返済を継続する必要はありません。

一方で、団信に未加入であった場合や、団信に加入していても保障の対象外となる場合には、ローンは残り、相続人側で対応方針を検討する必要があります。

そのため、次の2点を確認しましょう。

  • 団信に加入しているか(加入の有無・加入者)
  • 今回の死亡が保障の対象となるか(適用可否・保障範囲)

加入の有無や保障内容は、ローン契約書類・団信関係書類のほか、金融機関への照会により確認できます。

連帯債務やペアローン等が絡む場合は、「どの債務まで団信で完済されるのか」もあわせて整理しておきましょう。

また、団信に加入していても 必ず保険金が支払われるとは限りません。

死亡原因が免責事由(自殺、重大な告知義務違反など)に該当する場合は、保険金が支払われないことがあります。

最終的には契約内容に基づいて判断されるので、金融機関から必要書類と手続の流れを案内してもらい、できるだけ早めに対応するようにしましょう。

なお、保険金の請求には期限があり、保険法第95条により、保険給付を請求する権利は「行使できる時から3年間」行使しないと時効により消滅します。

第95条(消滅時効)
第九十五条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。

引用元:保険法 | 第95条

団信の確認結果により、その後の対応は大きく次の2パターンに分かれます。

  • 団信が適用されるときの対応方法
  • 団信に未加入、または適用されないときの対応方法

団体信用生命保険が適用されるときの対応方法

団信が適用される場合、住宅ローンは保険金によって完済されます。

もっとも、完済となっても手続きが自動的にすべて終わるわけではありません。

次のような流れで手続きを行っていきます。

手続き項目 内容
① 金融機関へ死亡の連絡 団信手続きの開始を依頼し、必要書類の案内を受ける
② 団信の請求手続き 死亡診断書などを提出し、保険金請求を行う
③ 抵当権抹消登記 ローン完済後も抵当権は自動で消えないため、抹消登記を行う
④ 遺産分割協議 相続人が複数いる場合、誰が住宅を取得するかを決める
⑤ 相続登記 取得者へ名義変更を行う
⑥ 相続税申告(該当する場合) 基礎控除を超える場合は期限内に申告・納税を行う

団体信用生命保険に未加入または適用されないときの対応方法

団信に未加入、または適用されない場合には、住宅ローンはそのまま残ります。

この場合、相続人は今後の対応を選択することになります。

主な選択肢は次の4つです。

選択肢 内容 メリット 注意点
① ローンを引き継ぐ 住宅とともに残債を承継し、返済を継続する 住み続けることができる 返済能力が必要
② 住宅を売却する 売却代金でローンを一括返済する 完済できれば債務がなくなる 売却額が残債を下回ると不足分を負担する必要あり
③ 相続放棄 家庭裁判所で申述し、すべての財産・債務を放棄する 返済義務を負わない 原則3か月以内の期限あり
④ 限定承認 相続財産の範囲内でのみ債務を負担する 借金のリスクを限定できる 相続人全員での申述が必要

なお、団信が適用されずローンが残っている場合、その残高は相続財産上の債務として、相続税の計算上「債務控除」の対象となり得ます(個別事情により整理が必要です)。

金融機関でのローンの事実関係が整理できたら次に確認すること

金融機関への照会により、ローンの事実関係が整理できたら、次のような「不動産」についての事実関係を整理していきます。

  • 不動産の名義
  • 不動産の担保設定

それぞれくわしく見ていきましょう。

不動産の名義を確認する

「その不動産の名義が誰になっているか」も確認すべき項目の1つです。

法務局で登記事項証明書を取得すれば、現在の登記名義人を確認できます。

名義が亡くなった方(被相続人)のままになっている場合は、相続登記(名義変更)が必要です。

2024年4月1日からは、相続によって不動産を取得した場合の相続登記が義務化されました。

原則として、相続を知った日から3年以内に登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく放置すると、過料の対象となる可能性があります。

なお、相続放棄をするかどうかは、民法第915条により、原則として「相続開始を知った日から3か月以内」に判断しなければなりません。

第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

引用元:民法 | 第915条

不動産の担保設定を確認する

不動産に抵当権が設定されているかも確認しましょう。

住宅ローンがある場合、通常は金融機関の抵当権が設定されており、登記事項証明書で確認できます。

抵当権が設定されている場合は、以下の点を確認してください。

  • どの金融機関の抵当権か
  • 債権額はいくらか
  • 他にも担保が付いていないか

抵当権があるということは、ローンの返済が滞れば、不動産が競売にかけられる可能性があるということです。

残債の金額や不動産の評価額によっては、相続を承認するか、相続放棄を検討するかの判断材料になります。

ローンの残った住宅を相続するか放棄するか迷ったときに見るべきポイント

ローンの残った住宅を相続するか放棄するか迷ったときは、感情で判断せず数字や将来像をもとに検討しましょう。

具体的に検討すべきポイントは次の通りです。

  • 住宅の価値がローン残高を上回るか
  • 自分が住む予定があるか
  • 他の相続財産との合計がどうなるか

必要であれば、不動産の査定や相続税の試算など専門家に相談してシミュレーションするのも効果的です。

私たち静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターは、各ご家庭の状況や事実関係を整理し、数字などを元に適切な対応をご提案しております。

相続の方向性が決まっていない段階でも問題ありません。

まずは、ご状況をお聞かせください。

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ローンが残る住宅を相続する際に失敗しやすいポイント

住宅ローンが残っている住宅を相続する場合、「思っていたのと違った」という誤解から後々トラブルになったり、不利益を被ってしまう可能性があります。

次のような制度上の間違いやすい、見逃しやすいルールを正しく理解しておくことが、失敗を未然に防ぐコツです。

注意点 内容
住宅ローンだけを相続放棄することはできない ・相続放棄は特定の財産や債務のみを選んで行うことはできない
・住宅や預貯金を含むすべての財産および債務を一括して放棄することになる
・住宅ローンの返済だけを除外することは制度上認められていない
相続放棄は期限を過ぎると選択できない ・相続があったことを知った日から原則3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要がある
・期間経過後は原則として単純承認したものとみなされる
・後から相続放棄をすることはできない
火災保険の名義をそのままにしない ・被相続人名義のままだと保険金請求に支障が生じるおそれがある
・実際に所有・管理する者へ契約者名義を変更する必要がある
・金融機関が保険継続を融資条件としている場合がある
団体信用生命保険には請求期限がある ・保険金請求権は行使できる時から3年間で消滅する(保険法)
・請求を怠るとローンが残る可能性がある
・死亡後は速やかに金融機関へ連絡する必要がある
名義変更だけではローン契約者は変わらない ・相続登記をしても債務者は自動的に変更されない
・債務者変更には金融機関の承諾が必要である
・別途審査や契約変更手続きが求められることがある
住宅ローン控除は自動的には引き継がれない ・被相続人の死亡により原則として控除は終了する
・相続人が居住しても当然に控除が継続されるわけではない
・税務上の要件を改めて確認する必要がある

ローンの残る住宅の相続相談は、静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターへ!

ローンが残っている住宅の相続は、状況によって手続きや判断のポイントが大きく変わります。

たとえば、団体信用生命保険(団信)で完済になるのか、連帯債務・連帯保証があるのか、ペアローンやリレーローンといった契約形態かによって、相続人が負う可能性のある返済義務や、進め方が異なります。

そのため、最初にすべきことは「結論を急ぐ」ことではなく、事実関係を順番に固めることです。

私たち静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターでは、静鉄グループの総合力を活かし、不動産・法律・税務・保険が絡む住宅相続を一体としてサポートしています。

ローンの残る住宅を「相続する方向でよいのか」「売却した方がよいのか」といった段階でも問題ありません。

状況を伺ったうえで、必要な確認事項を整理し、相続の進め方と注意点を分かりやすくご案内します。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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記事監修者
司法書士 川上直也

当センターの受付を担当しております。

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで約10年間介護職に従事しておりました。そこで法律に悩む高齢者の声に触れ、「気軽に相談できる法律の専門家の必要性」を感じ、司法書士を志しました。

ご相談には丁寧に耳を傾け、安心して話せる環境づくりを大切にしています。相続などでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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