住宅ローンなどを完済しても、不動産の登記簿から抵当権の記載が自動で消えるわけではありません。
完済後は、法務局へ「抵当権抹消登記」を申請して、登記簿の内容を正しい状態に戻す必要があります。
自分で進めるときは、必要書類は何か、今の登記簿の内容にズレはないかを、最初に整理しておくことが大切です。
この記事では、自分で抵当権抹消手続きを進める方法を、わかりやすく整理して解説します。
もしご自身で抵当権抹消手続きを進めるのが不安な場合は、静鉄不動産と専門士業が連携する相続サポートセンターへご相談ください。
状況に応じて必要な手続きや進め方をご案内できます。
電話でのお問い合わせ

抵当権抹消手続きを自分で行う場合に必要な対応

住宅ローンを完済したあとに行う抵当権抹消は、やること自体はそこまで多くありません。
大まかにいうと、登記簿に残っている抵当権の記録を消すために、必要書類をそろえて法務局へ申請する流れです。
まずは、「完済しただけでは終わりではない」という点を押さえておきましょう。
自分で抵当権抹消手続きを進める際の要点は、次の通りです。
- 完済後に申請をして登記簿上の抵当権記録を抹消する
- 法務局に対して申請書と必要書類を提出する
ここからは、それぞれの要点について具体的に解説していきます。
完済後に申請をして登記簿上の抵当権記録を抹消する
住宅ローンを完済すると、借入の返済は終わります。
ただ、登記簿に載っている抵当権の記録までは自動で消えません。
そのため、完済後は「抵当権抹消登記」を申請して、登記簿の内容をきちんと整える必要があります。
登記簿に抵当権が残ったままだと、売却や相続の際に手続きが複雑になるおそれがあります。
早めに抹消しておけば、今後の手続きを進めやすくなります。
また、申請書では、どの抵当権を消すのかをはっきり書く必要があります。
抵当権が1つだけなら迷いにくいですが、複数の抵当権が入っている不動産では、消す対象を取り違えないよう、事前の確認が必要です。
登記名義人の住所や氏名が現在と異なる場合は、住所等変更登記(住所・氏名変更登記)が必要です。
たとえば引っ越しで住所が変わった場合や、結婚などで氏名が変わった場合が該当します。
まずは登記簿の内容と現在の情報が一致しているかを確認しましょう。
法務局に対して申請書と必要書類を提出する
抵当権抹消登記は、不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。
自身の住所地ではなく、不動産がある場所で管轄が決まります。
そのため、まず提出先を間違えないことが大切です。
申請方法ごとの特徴と注意点を表にまとめました。
| 申請方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 法務局の窓口に直接書類を提出する | ・初めて手続きする人 ・その場で確認したい人 |
平日に出向く必要がある |
| 書類を郵送して申請する | ・窓口に行けない人 ・自宅で完結させたい人 |
封筒の書き方や送付方法に注意が必要 |
| オンライン申請 | ・オンライン申請に慣れている人 | 電子証明書や専用ソフトの準備が必要なため個人で手続きするにはハードルが高い |
オンライン申請も可能ですが、金融機関から受け取る書類が紙で作成されている場合は、ネット送信だけでは終わらず、後日その原本を法務局へ持参または郵送する流れになることがあります。
また、抵当権者の委任状に「登記識別情報の暗号化に関する件」の委任事項がない場合はオンライン申請ができないため、事前に必要書類の形式を確認しておきましょう。
申請が受け付けられると、法務局で内容の確認が行われます。
書類や記載内容に問題がなければ、登記簿から抵当権の記録が消されて手続きは完了です。
自分で進める場合は、書類を出す前に「提出先が合っているか」「必要書類がそろっているか」を丁寧に見直しておくと、余計な手戻りを減らしやすくなります。
自分で抵当権抹消手続きをする場合に必要な準備

自分で抵当権抹消手続きを進める前に、まずは必要なものを整理しておきましょう。
準備する内容は、次の通りです。
- 金融機関から受け取る書類をそろえる
- 自分で作成する申請書を整える
- 登録免許税を納める
順番に確認しておくと、手続きを進めやすくなります。
金融機関から受け取る書類をそろえる
住宅ローンなどを完済すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が渡されます。
自分で手続きをする場合は、まず手元の書類がそろっているかを確認するところから始まります。
一般的に確認したい書類と各書類の詳細は、次の通りです。
| 書類名 | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 登記原因証明情報(解除証書・弁済証書など) | ・借入が完済され、抵当権を抹消できる状態であることを証明する | 原本が必要なため紛失に注意 |
| 登記識別情報/登記済証 | ・抵当権に関する権利関係を証明する重要書類 | 紛失すると手続きが煩雑になる |
| 委任状 | 抵当権者である金融機関が、所有者(不動産の名義人)に登記申請を委任するための書類 | 自分で申請する場合でも内容確認が必要 |
| 代表者事項証明書などの資格証明情報(現在は会社法人等番号の記載により添付省略が一般的) | ・金融機関の代表者が正当に権限を持つことを確認するための書類 ・有効期限はないが、代表者が変更されている場合は別途書類の必要あり |
有効期限や記載内容の確認が必要 |
受け取った書類は原本で扱う場面が多いため、封筒を開けたら早めに中身を点検し、不足や記載漏れがないか確かめておくことが大切です。
自分で作成する申請書を整える
金融機関から受け取った書類がそろったら、次は法務局へ出す申請書を作成します。
自分で抵当権抹消をする場合、申請書は自分で用意しなければなりません。
申請書で特に気をつけたい項目と記入する内容は、次の通りです。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 登記の目的 | 抵当権抹消 |
| 原因 | 完済によって抵当権が消えた日と理由 |
| 権利者と義務者 | 登記に関わる当事者の立場と氏名 |
| 申請する法務局名 | 提出先の法務局 |
| 不動産の表示 | 土地や建物の所在地、地番、家屋番号などを登記簿どおりに写す |
どの項目も、登記簿や金融機関から受け取った書類と合っていなければなりません。
初めての方には難しく感じられる部分ですが、法務局の様式例を確認しながら記載すると進めやすくなります。
不安がある場合は、書き始める前に法務局の案内で確認しておくと安心です。
登録免許税を納める
抵当権抹消登記では、法務局へ申請する際に登録免許税を納めます。
金額は高額ではないものの、計算を間違えると補正になりやすいです。
そのため、事前に確認しておきましょう。
基本となる考え方は、次の通りです。
- 原則として、不動産(土地・建物)1個につき1,000円かかる
- 土地と建物は別で数える
- 書面申請では収入印紙で納めることが多い
住宅用の不動産で、土地1筆と建物1棟なら、合計2,000円になるのが一般的です。
ただし、土地が複数に分かれている場合は、土地の数だけ金額が増えることがあります。
マンションでも、登記の内容によって数え方が変わることがあるため、不明な場合は、登記事項証明書を確認しながら計算する必要があります。
収入印紙は申請書に所定の方法で添付して納付します。
そのため、添付のし忘れや金額違いがないよう、提出前にもう一度見直しておきましょう。
自分で抵当権抹消手続きをする流れ

自分で抵当権抹消手続きを進めるときは、全体の流れを先に把握しておくことが大切です。
流れは、次の通りです。
- 1.金融機関から書類を受け取る
- 2.申請書を作成する
- 3.法務局へ提出する
- 4.登記完了後に内容を確認する
以下からは、抵当権抹消手続きの流れを詳しく見ていきましょう。
1.金融機関から書類を受け取る
住宅ローンなどを完済すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が渡されます。
自分で手続きをするか、司法書士に依頼するかを考えるのは、まず書類を受け取って中身を確認してからで問題ありません。
受け取った段階で見ておきたいのは、書類が一式そろっているかどうかです。
解除証書や弁済証書、登記識別情報または登記済証、委任状などが入っているかを確認し、破れや記載漏れがないかも見ておきましょう。
書類に不備があるまま進めると、あとで手続きが止まりやすくなります。
あわせて、金融機関の名前や本店所在地に変更がないかも見ておくと安心です。
完済から時間がたっている場合は、合併や名称変更が起きていることもあり、その場合は追加で確認が必要になることがあります。
早めに確認しておけば、あとで慌てずに済みます。
2.申請書を作成する
必要書類がそろったら、次は法務局へ出す申請書を作成します。
自分で進める場合は、金融機関から受け取った書類と登記簿の内容を見ながら、間違いのないように記入していきましょう。
申請書では、登記の目的、原因と日付、権利者と義務者、不動産の表示などを記入します。
特に不動産の表示は、普段の住所の書き方とは違うことがあるため、登記簿どおりにそのまま写す意識が大切です。
少しでも違うと、訂正を求められることがあります。
また、登録免許税として必要な収入印紙も、この段階で用意して申請書に貼ります。
金額を間違えると手続きが止まる原因になるため、土地と建物の数を見ながら落ち着いて確認しておきましょう。
3.法務局へ提出する
申請書と必要書類の準備ができたら、不動産の所在地を管轄する法務局へ提出します。
提出先は自身の住んでいる地域の法務局とは限らないため、提出先を間違えないように確認しておきましょう。
提出方法は、次の通りです。
- 窓口へ持参
- 郵送
- オンライン申請
初めて自分で進めるなら、窓口へ持参する方法がわかりやすいでしょう。
形式面で気になる点があるときも、その場で確認しやすいからです。
郵送でも申請できますが、送付方法や返送用の準備まで含めて準備をする必要があります。
オンライン申請もできますが、必要な準備が多く、慣れていない方には少し負担が大きいです。
そのため自分に合った方法を選ぶようにしましょう。
4.登記完了後に内容を確認する
申請が終わったら、完全に終わりと考えず、最後に内容確認まで行いましょう。
法務局で審査が進み、問題がなければ抵当権抹消登記が完了します。
完了後は、登記完了証だけを受け取って終わりにせず、登記事項証明書を取り、抵当権の記録がきちんと消えているか確認しておくと安心です。
書類を出しただけで満足してしまうと、あとで売却や相続の場面になってから不備に気づくこともあります。
自分で抵当権抹消をする場合は、申請そのものよりも、最後の確認まできちんと行うことが大切です。
登記簿上の記録が正しく整理されていると確認できて、はじめて手続きが終わったといえます。
自分で抵当権抹消手続きをする場合の注意点

自分で抵当権抹消手続きを進めるときは、書類をそろえるだけで安心とはいえません。
特に見落としやすい注意点は、次の通りです。
- 代表者事項証明書の有効期限
- 登記名義人の住所氏名一致
- 書類紛失時の別手続き
先につまずきやすい点を知っておくと、手続きを止めずに進めやすくなります。
抵当権抹消の手続きで不安な点がある方は、静鉄不動産と専門士業が連携する相続サポートセンターへご相談ください。
必要書類の確認や不足書類の整理、登記手続きの進め方まで、状況に応じて丁寧にサポートいたします。
「書類に不備がないか不安」「自分で進めるのが難しい」といった場合でも、安心してご相談いただけます。
電話でのお問い合わせ

代表者事項証明書の有効期限
金融機関から受け取る代表者事項証明書には、使える期限があります。
手元にあるからそのまま使えると思ってしまいがちです。
しかし、発行から時間がたっていると、申請の際に使えないことがあります。
特に気をつけたいのは、完済してからしばらく置いてしまった場合です。
書類を受け取った時点では問題がなくても、申請する頃には期限が切れていることがあります。
そのまま申請すると手続きが止まり、取り直しが必要になるため、提出前に発行日を見直しておきましょう。
また、時間が経っていると、金融機関の名前や本店所在地、代表者が変わっていることもあります。
こうなると確認する書類が増えることがあるため、完済後の書類はできるだけ早めに使う方が安心です。
登記名義人の住所氏名一致
抵当権抹消登記では、不動産の持ち主として登記簿に載っている住所や氏名と、申請する人の情報が合っているかが大切です。
ここにミスがあると、そのままでは手続きを進められないことがあります。
よくあるのは、引っ越しで住所が変わっている場合や、結婚などで氏名が変わっている場合です。
こうしたときは、抵当権抹消の前に、住所変更登記や氏名変更登記が必要になることがあります。
現在の情報でそのまま出せると思い込まず、まず登記簿の内容を確認しておきましょう。
さらに、相続が絡む場合は注意点が増えます。
名義人が亡くなっている場合は、原則として先に「相続登記」を完了させておく必要があります。
放置すると罰則の対象となる可能性があるため、専門家に相談しましょう。
相続が関わる場面では、順番を誤らないことが大切です。
書類紛失時の別手続き
抵当権抹消で困りやすいのが、必要書類をなくしてしまった場合です。
登記識別情報や登記済証は特に大事な書類で、なくすと通常どおりには進めにくくなります。
書類をなくしたからといって、すぐに手続きができなくなるわけではありません。
ただ、紛失した場合は通常とは別の進め方になります。
必要になる対応は、なくした書類の種類や状況によって異なります。
そのため、登記識別情報や登記済証を紛失した場合は、まず法務局や司法書士に確認することが大切です。
場合によっては、通常とは異なる方法で手続きを進めることになります。
また、書類をなくした場合と、書類が手元にあっても汚損などで内容が確認できない場合とでは、対応が同じとは限りません。
状況によって必要な手続きが変わるため、「何をなくしたのか」「書類はあるが読めないのか」を整理したうえで相談すると、その後の流れを確認しやすくなります。
自分で進める抵当権抹消は、必要書類がそろっていて、住所や氏名にも変更がなければ、比較的進めやすい手続きです。
一方で、書類の期限切れ、名義の不一致、書類の紛失、相続の発生などが重なると、手続きは一気に複雑になることがあります。
少しでも不安な点がある場合は、早い段階で司法書士などの専門家に相談した方が、再手続など面倒な手続きを防ぐことができます。
専門家に依頼せず、自分で抵当権抹消手続きを行うのが向いている方

抵当権抹消を自分で進めるかどうかは、費用だけで決めるのではなく、手続きの整理がしやすい状況かどうかで考えることが大切です。
特に、自分で進めやすいのは、書類や名義の状況がすっきりしている場合です。
自分で進めやすい方の特徴は、次の通りです。
- 書類がすべてそろい、名義変更も不要な方
- 相続・住所変更が絡まない方
それぞれ詳しく見ていきましょう。
書類がすべてそろい、名義変更も不要な方
書類が一通りそろい、登記簿上の住所や氏名も現在の内容と一致している場合は、自分で進めやすい状況といえます。
抵当権抹消は、必要書類と申請書が整っていれば、流れ自体は比較的わかりやすい手続きです。
また、法務局の案内や公開されている記載例を参考にしながら進められる点も、自分で申請しやすい理由の一つです。
平日に窓口へ行きにくい場合でも、郵送で申請できるため、必要書類の確認や封入を丁寧に行えれば進めやすいといえます。
費用を抑えたい方にとっては、こうしたシンプルなケースであれば、自分で申請するメリットが出やすいです。
反対に、書類に不足がある場合や、内容の見方に不安がある場合は、無理に自分だけで進めず、司法書士に相談した方が安心です。
相続・住所変更が絡まない方
相続が発生していないことも、自分で進めやすい条件の一つです。
名義人が亡くなっていたり、相続登記がまだ終わっていなかったりすると、抵当権抹消の前に整理すべき手続きが増えやすくなります。
同じように、引っ越しや結婚などで住所や氏名が変わっている場合も、抵当権抹消だけでは終わらないことがあります。
変更の回数が多いほど、確認する書類や順番も複雑になりやすいため、最初に想定していたより負担が大きくなりがちです。
そのため、相続や住所変更がなく、必要書類もそろっている方は、自分で抵当権抹消を進めやすいといえます。
相続や住所変更、書類紛失などの事情がある場合は、早めに司法書士へ相談した方が、結果として手戻りを防ぎやすくなります。
相続が絡む抵当権抹消は、早めに司法書士へ相談しよう!

抵当権抹消は、自分で進めることもできる手続きです。
完済後に書類を受け取り、申請書を作成し、法務局へ提出して、最後に登記簿を確認するという基本的な流れ自体は、それほど複雑ではありません。
ただし、実際に手続きを進めると、思った以上に引っかかりやすい場面があるのも事実です。
順番を誤ると何度も書類を見直すことになり、手間や時間がかかってしまうケースも少なくありません。
特に、相続や名義のずれが関わる場合は、手続きの難易度が一段上がると考えておくと安心です。
少しでも不安な点がある場合は、早めに司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
静鉄不動産と専門士業が連携する相続サポートセンターでは、抵当権抹消だけでなく、相続登記や名義変更が関わるケースにも対応しています。
書類の確認から手続きの進め方まで、状況に応じて整理しながらサポートいたしますので、「どこから手をつければいいかわからない」という方でも安心してご相談いただけます。
相続がすでに発生している場合はもちろん、事前に確認しておきたい段階でも対応可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。
電話でのお問い合わせ




コメント