相続放棄した家は最終的にどうなる?不利益を受けない方法から注意点まで徹底解説!

相続

「親が亡くなったら家も相続対象になるけれど、空き家になるから相続放棄をしよう」と考えている方もいるでしょう。

いざ相続放棄をしようと思っても、「家の管理はどうなるのか」「どのような手続きが必要か」など気になることは山積みです。

この記事では、相続放棄した家が最終的にどうなるのか、相続放棄の注意点について解説します。

私たち静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターでは、弁護士や税理士などの専門士業と連携しながら、相続に関するお悩み解決をお手伝いしています。

家を含む相続放棄の手続きや、その後の対応でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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記事監修者
司法書士 川上直也

当センターの受付を担当しております。

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで約10年間介護職に従事しておりました。そこで法律に悩む高齢者の声に触れ、「気軽に相談できる法律の専門家の必要性」を感じ、司法書士を志しました。

ご相談には丁寧に耳を傾け、安心して話せる環境づくりを大切にしています。相続などでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

相続放棄した家は最終的にどうなる?

相続放棄した場合、家の行方は主に次の2つに分かれます。

  • 他の相続人が引き継ぐ
  • 相続人がいない場合は国に帰属する

ここからは、ケースごとにどうなるのか詳しく見ていきましょう。

他の相続人が引き継ぐ

相続放棄をしても、同じまたは次の相続順位の人がいれば、その相続人が家を引き継ぐことになります。

たとえば、親が亡くなった場合、自身は法定相続人の第1順位となります。

自身(あなた)が相続放棄をする場合、同順位の他の相続人に相続権が移ります。

同順位の相続人がいなくなった場合は、次順位の親族が相続人となるのです。

法定相続人の順位を表にまとめると次の通りです。

順位 主な対象者 補足
配偶者 夫・妻(常に相続人) 他の順位の相続人と常に共同で相続する
第1順位 子・孫(直系卑属) 子が亡くなっている場合は孫が相続(代襲相続)
第2順位 父母・祖父母(直系尊属) 第1順位がいない場合に相続
第3順位 兄弟姉妹 兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪が相続(1代限り)

自分が相続放棄したあとに誰が家を引き継ぐことになるのか、あらかじめ知っておきましょう。

他の相続人が事情を把握していない場合、手続きが遅れたり、相続人間で認識の相違が生じたりするおそれがあります。

相続人がいない場合は国に帰属する

相続放棄などにより最終的に相続人がいなくなった場合は、相続財産清算人による手続きを経て、残余財産が国庫に帰属します。

ただし、相続放棄をしただけで直ちに家が国庫に帰属するわけではなく、相続人がいないことを前提に、相続財産清算人の選任など所定の手続きが必要になります。

相続放棄の手続きの後、他に相続人がおらず、残った家が国に帰属するまでの流れは次の通りです。

手順 手続き等の内容
① 相続財産清算人の選任 利害関係人(債権者、特定分与を希望する特別縁故者、親族など)の申立てにより、家庭裁判所が相続財産清算人を選任する
② 財産の調査・管理 家を含めた相続財産の内容を調査し、適切に管理する
③ 債権者・受遺者への公告 官報に公告を出す(これにより、借金や未払いの費用などを把握する)
④ 債務の支払い・財産の換金 申し出があった債権について、財産を使って支払いを行う
⑤ 特別縁故者への分与(ある場合) 被相続人と特別な関係があった人(内縁の配偶者など)がいる場合、家庭裁判所の判断で相続財産の分与がされることもある
⑥ 残った財産が国庫へ帰属 すべての支払いを終えて残った財産が国庫へ帰属する

相続放棄やその後の不動産対応は、手続きの判断を誤ると不利益につながるおそれがあるため、早い段階で司法書士や、必要に応じて弁護士へ相談することが重要です。

相続放棄した家の注意点

相続放棄をしても、家に関する一切の責任や義務がなくなるとは限りません。

法律上、相続放棄の時に相続財産を現に占有している人には、次の相続人や相続財産清算人へ引渡しを終えるまで保存義務があります。

第940条(相続の放棄をした者による管理)

相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索|民法第940条

「現に占有している」とは、「事実上、支配や管理をしている状態」を指します。

たとえば、次のことをしていた場合が挙げられます。

  • 居住用や、別荘・倉庫として利用している
  • 鍵を持って定期的に清掃や管理をしている
  • 第三者に依頼して、家の保存や管理をしている

相続放棄をしても、その時点で家を現に管理している場合は、次に引き継ぐ相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで、家の状態を悪化させないよう保存する必要があります。

一方で、放棄時に家を現に占有していない場合は、同じ前提とならないことがあるため、個別事情を踏まえた法的判断が必要です。

管理者としてみなされている場合、次の注意点があります。

  • 保存義務が残る場合がある
  • 禁止事項がある

ここからは、それぞれの注意点について解説していきます。

保存義務が残る場合がある

相続放棄をした後も、放棄時に家を現に占有していた場合には、次の相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで保存行為が必要になることがあります。

こうした対応が必要な理由は次の通りです。

  • 引き渡すまで保存義務が残るから
  • 放置すると損害賠償責任を問われる可能性があるから

それぞれの理由について、以下から詳しく見ていきましょう。

引き渡すまで保存義務が残るから

相続放棄をしても、次の相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで、家を保存する義務があります。

ここでいう保存とは、不動産の価値や状態を損なわないための必要最小限の措置のことです。

たとえば、戸締まりをする、雨漏りや破損を放置しないなどの対応が中心になります。

放置すると損害賠償責任を問われる可能性があるから

管理(保存)義務には周囲や他人に損害を与えるような、危険な状態にしないことも含まれています。

仮に危険な状態を放置して周囲の第三者に被害が出た場合は、責任を問われる可能性があります。

目に見えて危険な箇所がある場合は、必要に応じて補修や立入防止などの保存行為を検討しましょう。

禁止事項がある

相続放棄をした家については、勝手に処分してはいけません。

相続放棄をした以上、家を自分の判断で自由に扱える立場ではないためです。

一方で、周囲や第三者への損害を出さないための最低限の対応が必要になる場面もあります。

相続放棄後に問題となりやすい行為と、保存行為として許容される範囲は次の通りです。

  • 売却や自由な解体はできない
  • 危険回避のための保存行為だけは許される

ここから、一つずつ詳しく内容を解説していきます。

売却や自由な解体はできない

相続放棄をしたあとに、家を自分の判断で売ったり、取り壊したりすることはできません。

処分行為に当たる内容によっては、単純承認とみなされる可能性があります。

その結果、相続放棄が認められず、相続人として財産や負債を承継するリスクが生じます。

プラスの財産もマイナスの財産も相続するため、借金などが遺されていると不利益を受けてしまう可能性があるのです。

危険回避のための保存行為だけは許される

周囲や第三者に損害を与えるおそれがある場合には、最低限の安全確保のための対応が必要です。

たとえば、破損した屋根の一部や、崩れてきそうな壁などの応急的かつ必要最小限の補修であれば、保存行為にあたります。

反対に、危険な状態を放置して近隣住民や第三者に損害を与えた場合は、責任を問われる可能性があります。

もっとも、保存行為に当たるか判断が難しい場合もあるため、対応前に司法書士へ相談するのが安全です。

相続放棄した家を空き家のまま放置するとどうなる?

相続放棄をしても、そのまま空き家として放置するとさまざまな問題が起こります。

放置した結果、予想されるトラブルは次の通りです。

  • 老朽化による倒壊や事故が起きる
  • 行政から助言・指導、勧告、命令等を受ける可能性がある
  • 固定資産税の取扱いについて確認が必要になる

ここからは、予想されるトラブルについて詳しく見ていきましょう。

老朽化による倒壊や事故が起きる

そのまま放置すると、建物の一部が落下したり、台風や地震をきっかけに倒壊したりするおそれがあります。

建物の一部の落下や倒壊によって、人や物に損害を与えた場合、賠償責任が発生する可能性があります。

それだけでなく、不法侵入や不法投棄、犯罪利用の温床になるおそれもあるのです。

この場合、保存義務者が事件に巻き込まれてしまう可能性も考えられます。

周囲だけでなく、自身にとっての不利益やトラブルにつながるため注意が必要です。

行政から助言・指導、勧告、命令等を受ける可能性がある

相続放棄をしていても、空き家の管理者とみなされた場合、行政対応の対象になることがあります。

たとえば、建物の傷みが激しい、周囲に危険を及ぼす可能性がある、衛生面に問題があるといった場合には、行政から適切な管理をするよう助言や指導をされます。

助言・指導の後、必要に応じて勧告、命令、代執行などへ進む可能性があります。

さらに、改善命令に従わない場合などは過料が科されたり、行政代執行が行われた場合は解体費用を請求されたりすることもあるため、注意が必要です。

固定資産税の取扱いについて確認が必要になる

相続放棄をした人は、原則として相続人として固定資産税の納税義務を負いません。

しかし、実際の課税や通知の取扱いは自治体で確認が必要です。

固定資産税は不動産(家)の所有者に課される税金です。

ただし、固定資産税の納税義務者の判定は一律ではなく、登記や課税台帳上の取扱い、相続放棄の有無なども踏まえて自治体に確認する必要があります。

相続放棄をした場合でも、事情によって扱いが分かれるため、早めに自治体や専門家へ確認しておきましょう。

相続放棄をした方は、固定資産税の納税義務者として一律に扱われるわけではありません。

固定資産税の手続きは、相続放棄の有無や自治体への届出状況で確認事項が分かれるため、受理通知書を準備したうえで自治体窓口へ早めに確認しておきましょう。

特定空家等について勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れ、税負担が増える可能性があります。

相続放棄をした後は、必要に応じて次の相続人への引継ぎや、相続財産清算人選任申立てを検討しましょう。

相続放棄後の家について整理しておくべき手続き

相続放棄した家に関するトラブルを回避するためには、放棄以外の手続きも必要になります。

必要な手続きは以下の通りです。

  • 家庭裁判所で相続放棄の申述を行い、受理を受ける
  • 「相続財産清算人」の申立てをする

それぞれの手続きを順に見ていきましょう。

家庭裁判所で相続放棄の申述を行い、受理を受ける

相続放棄をするには、各相続人が家庭裁判所で相続放棄の申述を行い、受理される必要があります。

また、相続放棄には期限があり、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

自分以外の相続人の状況確認や、家を含めた財産の整理、書類の準備など、確認すべき事項や準備すべき書類は少なくありません。

相続放棄には期限もあるため、早い段階で司法書士や弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

「相続財産清算人」の申立てをする

自分以外に相続人がいて、引き継ぐ意思がある場合は、その相続人へ権利が移ります。

一方、自分以外の相続人がいない、または全員が放棄する場合は、別の管理手続きが必要です。

相続放棄の手続きとあわせて「相続財産清算人」の申立てを進めましょう。

手続きを経て、「相続財産清算人」に家の管理を引き継ぐことで、トラブルを回避することができます。

私たち静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターは、遺産相続に関するお悩み解決のお手伝いをしています。

相続放棄の申述書類の準備や、不動産を含む相続関係の整理について、サポートいたします。

必要に応じて、相続財産清算人選任申立てに関する手続きの案内も可能です。

何も整理できていない状態からでも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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早めの相談で相続放棄した家の不安は軽くできる!

相続放棄をしても、放棄時に家を現に占有している場合などは、その後も一定の保存義務が残ることがあります。

専門知識がないと対応に行き詰まりやすく、放置すれば家の状態によって周囲へ迷惑がかかるかもしれません。

そのため、相続放棄後の保存義務や今後の手続きについて、早めに司法書士へ相談し、必要な対応を整理しておくことが重要です。

私たち静鉄不動産と専門士業の相続サポートセンターは、相続放棄全般に関するお悩み解決のお手伝いをしています。

まだ相談する段階ではないと思われる場合でも、早めに状況を確認しておくことで、後の手続きを進めやすくなります。

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